こんにちは。Pentaです。
ここでは、FXの基礎知識について、初心者の方にもわかりやすく解説していきたいと思います。二回目の今回は、実際にFX取引をするにあたって基本的な、分析の方法と、トレードについて述べていきます。
チャートとは
変動する通貨の移り変わりを目で見てわかるようにしたものをチャートといいます。イメージはこのような折れ線グラフみたいな感じです。
チャートの縦軸は価格を示しており、上に行くほど高くなり、下へ行くほど低くなります。横軸は左から右へ時間の経過を示しています。これから為替がどう動いていくのか、過去の価格推移はどうだったか、など、通貨の売り買いの判断をするときに必要な指標になります。
ローソク足
値動きを単純な折れ線グラフにしたチャートですが、上の図を見てお気づきでしょうか。よく見ると、四角と棒のようなものが見えますね。まるでローソクのように見えることから、ローソク足と呼ばれています。
ローソク足とは
ローソク足は一定期間の値動きを一目で見てわかりやすくするために、表記の仕方にそれぞれ意味をもたせて、記号化したものです。
ローソク足の陽線と陰線
ローソク足には陽線と陰線があります。陽線は通貨の「始値(はじめね)」より「終値(おわりね)」が高くなったときに用います。陰線はその逆で、「始値」より「終値」が安くなった時に用います。
ローソクの芯に見える「ヒゲ」は、ローソクの「始値~終値」の間の高値と安値をヒゲの長さで表しています。
ローソク足の種類
また、ローソク足には「始値~終値」の時間の長さによって、種類があります。長いものから順番にならべますと、下記のようになります。
- 年足(ねんあし)
- 月足(つきあし)
- 週足(しゅうあし)
- 日足(ひあし)
- 1時間足(いちじかんあし)
- 30分足(さんじゅっぷんあし)
- 10分足(じゅっぷんあし)
- 5分足(ごふんあし)
- 1分足(いっぷんあし)
売り買いするタイミングが超短期であれば1分足や5分足、長期であれば日足や週足といったように、投資をするスタイルによって、それぞれ使い分けをします。
FX取引をする際にはこのように、チャートやローソク足で通貨の値動きを分析・予測して投資をしてゆくわけです。
短期か長期か?テクニカル分析とファンダメンタルズ分析
さて、FX取引をするときに、短期でみるか、長期でみるか、その投資スタイルによって値動きの分析の仕方にも種類がわかれてきます。それが「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」と呼ばれる分析手法です。
テクニカル分析(短期)
テクニカル分析は、短期の値動きの分析のことを言います。分析には、先にご説明したチャートとローソク足を用います。リアルタイムで目先の動きを把握するのに向いているからです。しかし、ダイナミックな世界経済の動きのように、大局的で長期の分析には向いていません。
ファンダメンタルズ分析(長期)
ファンダメンタルズ分析は、国の政策や景気動向、金利などを分析して為替の動きを探るように、ダイナミックで大きな、長期間のトレンドを読むのに向いています。
短期と長期、どちらがいいのか
なんとなくFXには短期のテクニカル分析が良いように思えますが、世界経済の景気の動向によって為替は大きく変化します。大きな流れの中で予測・分析することも非常に重要です。木を見て森を見ず、ではせっかくのチャンスも逃してしまうことになりかねません。どちらも併せて値動きを探っていくのが理想的です。
トレンド分析
為替は小さな動きをみれば、常に細かく上がったり、下がったりを繰り返しています。おおきな流れで見ていくと、為替は一つの方向へ動き出すと、しばらくその方向が続くという特徴があります。この大きな流れを「トレンド」と呼びます。
高値傾向で上昇基調であれば「上昇トレンド」といい、下降基調であれば「下降トレンド」といいます。また、通貨の値動きが停滞する場合は「横ばい」といい、トレンドの動きはおおよそこの3つ「上昇トレンド」「下降トレンド」「横ばい」になります。
このトレンドの傾向を読み取ることによって、どこで売り、どこで買うかのタイミングを見極めていきます。
トレンドライン
トレンドの傾向は、「トレンドライン」を引くことで見えてきます。上昇トレンドの場合、ローソク足のおもな安値と安値を結んで線を引いてみると、右肩上がりのラインになります。これをトレンドライン(下値支持線)といいます。
下降トレンドであれば、ローソク足のおもな高値と高値を結んで線を引いてみると、こんどは右肩下がりのラインになります。これをトレンドライン(上値抵抗線)といいます。
トレンド転換
トレンドは、ある一定期間続く傾向があるのですが、ずーっと際限なく上がり続けたり下がり続けたりするわけではありません。当然ながら、いつかは、どこかのタイミングで下降トレンドから上昇トレンドに転じたり、逆に下降トレンドから上昇トレンドに転じたりします。
たとえば短期的(テクニカル)には、市場で「ちょっとこの円高はまずいぞ」という判断が大勢を占めた場合、急に円安に転じたりします。また、長期的(ファンダメンタルズ)には、国の金融政策が転換されたり政情の変化などによって上下に転じることがあります。
トレンドラインから転換期を読む
トレンド転換は、トレンドラインが突き抜けたときに確認できます。下降トレンドであれば上値抵抗線を上に突き抜けたとき、上昇トレンドであれば下値支持線を下に突き抜けたときがトレンド転換です。
転換後はまだ転換をしたばかりの若い相場なので、しばらく続きます。この「トレンド転換」を読み取れば、「買い」「売り」のポイントなので利益を上げることができます。
3つの投資スタイル
FXの取引には、3つのスタイルがあります。生活リズムや投資に充てられる時間帯などを考慮して、ご自分に合った投資スタイルを決めましょう。
①短期取引の「スキャルピング」
取引期間は数秒~数分と、短い時間で注文から決済までを終わらせるスタイルです。わずかな利益を積み重ねていくスタンスで、円で換算すると1回あたり1銭~数銭の利益を狙います。一定時間、トレードに張り付いていられる時間が持てる場合は、このスタイルでもいいでしょう。
ただし、短い時間だけに集中力や相場を見る力、俊敏な判断力、決断力を要するため、どちらかといえば中上級者向けです。
②中期取引の「デイトレード」
取引期間は10分程度から長くても1日のうちに決済を終わらせるスタイルです。10銭から1円近くの利益を狙います。在宅勤務の合間や仕事の休憩時間などのスキマ時間でトレードできるので、人気のあるスタイルです。
ある程度チャートを分析する知識やトレードの技術が必要になりますので、しっかり勉強をして臨みましょう。
③長期取引の「スイングトレード」
取引期間は2日から1週間、長い場合は数年間保有する長期のスタイルです。狙う利幅も大きめで、通貨ペアの金利差で生じるスワップポイントも期待できます。普段から相場を見る時間がなかなか取れない方や、じっくりと通貨の価格変動を追いかけていきたい方に向いているスタイルです。
世界的な経済情勢や各国の要人発言、金利変動など、長期的な分析(ファンダメンタルズ)と情報収集が重要になります。
FX初心者におすすめは「デイトレード」
3つの短期、中期、長期のトレードについてご紹介しましたが、FXをこれから始める場合は、中期のデイトレードがお勧めです。デイトレードがお勧めのワケは以下の3点です。
- 仕事の合間など、スキマ時間を利用してトレードができる
- スイングトレードよりトレード回数を多くできるので経験が積める
- 短期のスキャルピングほどタイトなトレードをする必要がない
いざ、FXを始めるとなったら、トレードスタイルを決めるときの参考になさってください。
まとめ
今回は、チャートからトレードの手法・種類までを解説しました。トレードの期間が短期であれ長期であれ、FXで損を拡大させないことがなによりも重要です。損失はあらかじめ想定した範囲内で収めるよう、必ず損切(損失が生じたときに見切り売りすること)を設定するようにしましょう。